建築変更確認取消裁決取消請求事件
東京地方裁判所平成28年(行ウ)第192号
平成30年5月24日民事第51部判決
口頭弁論終結日 平成30年2月21日

判   決

当事者の表示 別紙1当事者目録記載のとおり

主   文

 原告らの請求を棄却する。
 補助参加によって生じた訴訟費用は原告ら補助参加人の負担とし,その余の訴訟費用(訴訟参加によって生じた訴訟費用を含む。)は原告らの負担とする。

事実及び理由

第1 請求
 東京都建築審査会が26建審・請第1号審査請求事件について平成27年11月2日付けでした裁決を取り消す。

第2 事案の概要
 原告らが建築主となって建築する共同住宅(以下「本件マンション」という。)の建築計画について,指定確認検査機関である株式会社都市居住評価センター(以下「原処分庁」という。)が建築基準法6条1項前段に定める建築確認処分及び同項後段に定める建築計画変更確認処分(以下,後者を「本件処分」という。)をしたところ,被告参加人を含む本件マンションの周辺住民らが本件処分の取消しを求めて審査請求をし(26建審・請第1号審査請求事件),東京都建築審査会(裁決行政庁)は,本件マンションの建築計画には条例違反の違法があるなどとして,上記審査請求を認容し,本件処分を取り消す旨の裁決(以下「本件裁決」という。)をした。
 本件は,本件裁決によって本件処分が取り消されたことにより本件マンションの建築工事を行うことができなくなったため,建築主である原告らが,被告を相手に,本件裁決の取消しを求める事案である。

1 法令の定め
 建築基準法(以下「法」という。)の定めは別紙2−1,建築基準法施行令(以下「施行令」という。)の定めは別紙2−2,東京都建築安全条例(昭和25年東京都条例89号。以下「都条例」という。)の定めは別紙2−3,行政不服審査法(平成26年法律第68号による全部改正前のもの。以下「旧行審法」という。)の定めは別紙2−4のとおりである。

2 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)
(1)本件マンションの建築計画の概要
 原告らが建築主として計画した本件マンション(計画時の仮称は「小石川二丁目マンション」)は,二つの建築物から成る共同住宅であり,その概要は以下のとおりである(甲2の40及び42,甲3の20)。
 所在地 東京都文京区小石川二丁目3番1
 敷地面積 4341.76平方メートル
 主要用途 共同住宅(107戸)
 建築面積 2255.56平方メートル
 延べ面積
(ア)建築物全体 1万3377.67平方メートル
(イ)住宅の部分 1万1601.85平方メートル
(ウ)自動車車庫等の部分 1775.82平方メートル
 建築物の高さ等
(ア)最高の高さ 26.896m
(イ)階数 地上8階,地下2階
(ウ)構造 鉄筋コンクリート造
 建築物の数 2
 建築物別の概要は以下のとおりである。
(ア)建築物1(以下「本件建築物1」という。)
用途 共同住宅,自転車駐車場,自動車車庫
構造及び階数 鉄筋コンクリート造・地上8階地下2階建て
床面積合計 1万3339.49平方メートル
(イ)建築物2(以下「本件建築物2」という。)
用途 共同住宅(集会室,備蓄倉庫)
構造及び階数 鉄筋コンクリート造・平屋建て
床面積合計 38.18平方メートル
 工事着手時期 平成25年2月
 なお,平成26年1月14日,基礎配筋工事の中間検査が完了した。
 本件マンションの敷地は,その東側(接道長さ13.112m),南側(接道長さ115.448m)及び西側(接道長さ4.744m)において,それぞれ道路に接している(敷地の南側に位置する道路を,以下「南側前面道路」という。)。
 なお,本件マンションの敷地はもともと傾斜地であり,東側が西側より低くなっており,東側に接する道路面の高さは本件マンションの地下2階に相当し,西側に接する道路面の高さは本件マンションの2階に相当する(甲2の2・12枚目)。

(2)本件建築物1の構造
 本件建築物1の構造は,以下のとおりである(甲3の20〜24,甲5)。
 本件建築物1は,住居の用に供される「東棟」及び「南棟」と,主として自動車車庫の用に供される「北棟」とに大別され,それぞれの棟間がエキスパンションジョイントにより接続されている(別紙4−1参照)。本件建築物1の主要な出入口は,地下1階に設けられている。
 なお,本件建築物2は,本件マンションの敷地の南西に位置し,「西棟」と称されている。
 本件マンションの1階平面図(甲3の22,甲5・7枚目)によれば,本件建築物1の1階には,南棟に10戸,東棟に4戸の住居が存するところ,南棟には,本件駐車場と南側前面道路を結ぶ車路(以下「本件車路」という。)が設けられ,車路の東側の住宅部分(以下「1階東側住宅部分」という。)と車路の西側の住宅部分(以下「1階西側住宅部分」といい,1階東側住宅部分と併せて「1階住宅部分」という。)とは,開口部のない耐火構造の壁で区画されている(別紙4−1参照)。
 本件建築物1の北棟1階にある自動車車庫(以下「本件駐車場」という。)は,都条例32条にいう「自動車車庫又は自動車駐車場で,格納又は駐車の用に供する部分の床面積が500平方メートル以上のもの」(以下「大規模駐車場」という。)に該当する。なお,本件駐車場の床面積と本件車路の床面積を合わせると,1536.47平方メートルとなる。
 本件車路は,幅員が5.87mであり,本件駐車場と南側前面道路とを直線で結んでいる。本件駐車場(本件車路と接する部分)の床面と南側前面道路との高低差は約2.5mであるため,本件車路は,約19mにわたって,勾配が約8分の1の傾斜路になっている(別紙4−2参照)。また,本件車路の南端には,南側前面道路へ通じる出入口(以下「南側道路出入口」という。甲5の4枚目・写真〔1〕及び〔2〕参照)が設けられている。
 南棟1階には,1階東側住宅部分及び1階西側住宅部分から本件駐車場へ通じる出入口として,それぞれの住宅部分にサブエントランス(以下「本件各サブエントランス」という。)が設けられている(別紙4−1参照)。本件駐車場から本件各サブエントランスに通じる2つの開口部(以下「本件各開口部」という。甲5の6枚目・写真〔12〕及び〔16〕参照)は,本件車路に位置している。
 本件各開口部と本件各サブエントランスとの間には,屋根,壁又は柱などの構造を有しない外気に開放された空間(吹抜部分)が存在している(原告ら第6準備書面の別紙図面参照)。本件各サブエントランスの扉には電気錠が設置される予定である。
 本件建築物1の1階部分には,南棟の北西部(1階西側住宅部分に含まれる。)に直通階段(以下「直通階段A」という。),南棟の北東部(1階東側住宅部分に含まれる。)に直通階段(以下「直通階段B」といい,1階から上へ向かう「直通階段B−1」,下へ向かう「直通階段B−2」に分けて表記することがある。),東棟の南西部(1階東側住宅部分に含まれる。)に直通階段(以下「避難階段C」という。)が,それぞれ設置されている(ここにいう「直通階段」とは,施行令120条にいう「避難階又は地上に通ずる直通階段」を指す。以下同じ。)。なお,これらの階段のうち,避難階段Cは,施行令123条に定める避難階段の構造を有している。

(3)本件処分及び本件裁決等の経緯
 原告らは,平成24年7月9日,法所定の指定確認検査機関である株式会社都市居住評価センター(原処分庁)に対し,本件マンションに係る建築確認の申請をし,原処分庁は,同月26日付けで,法6条1項前段及び6条の2第1項に基づく建築確認処分(以下「原処分」という。)をした。
 被告参加人を含む本件マンションの周辺住民ら9名(以下「審査請求人ら」という。)は,平成24年9月28日,原処分の取消しを求める審査請求をした(24建審・請第8号審査請求事件)。なお,原告ら及び本件マンションの設計を担当した株式会社日建ハウジングシステムは,同審査請求の手続に参加人として関与した(後記イのとおり追加された審査請求についても同じ。)。
 原告らは,平成26年2月24日,本件マンションの建築計画の一部変更に伴う建築変更確認の申請をし,原処分庁は,同年3月12日付けで,法6条1項後段及び6条の2第1項に基づき,建築変更確認処分(本件処分)をした。
 審査請求人らは,平成26年4月8日,本件処分の取消しを求める審査請求をし(26建審・請第1号審査請求事件),東京都建築審査会(裁決行政庁)は,同審査請求事件につき,上記アの審査請求事件と併合して審査をした。
 なお,文京区は,「絶対高さ制限を定める高度地区の指定」に関する都市計画を決定し,平成26年3月17日,これを告示し施行した。その結果,本件マンションの敷地を含む区域は,高さ制限22mの高度地区に指定された(甲7)。
 補助参加人は,平成26年12月21日,原告らから,本件マンションの×××号室を代金8880万円で購入した。
 裁決行政庁は,平成27年9月7日付けで,審査請求人らの申立てにより,本件処分の執行停止の決定をし,本件マンションの建築工事は中断された。
 裁決行政庁は,平成27年11月2日付けで,原処分の取消しを求める審査請求を却下するとともに,本件処分の取消しを求める審査請求については,これを認容し,本件処分を取り消す旨の裁決(本件裁決)をし,同月16日,原告らにこれを通知した。裁決書には,本件裁決の理由として概要下記のとおりの記載がある。
(ア)本件駐車場は避難階(施行令13条1号。直接地上へ通ずる出入口のある階をいう。以下同じ。)に当たるとはいえないところ,本件駐車場に避難階段は設置されておらず,都条例32条6号に違反する(甲1・49〜51頁)。
(イ)都条例32条6号の適用に当たって施行令117条2項が適用されないとする原処分庁の見解は妥当ではない。避難経路に関する施行令の適用に当たって別の建築物として取り扱った建築物について,都条例の避難経路に関する附加制限の規定を適用する際に,別の建築物として取り扱わないことができるという原処分庁の主張は失当である。(甲1・52〜56頁)
(ウ)仮に都条例32条6号の適用に当たって施行令117条2項が適用されないとしても,本件駐車場は床面積100平方メートル以内ごとの防火区画がされていないため,施行令122条1項ただし書は適用されず,建築物の5階以上の階に通ずる直通階段A及びBは同項本文により避難階段とする必要があるところ,上記各階段は,施行令123条2項の屋外避難階段の構造を満たしていない(甲1・56〜57頁)。
 原告らは,平成28年2月上旬頃,補助参加人との間の売買契約を解除した(甲13)。
 原告らは,平成28年5月10日,本件訴えを提起した。

3 争点
 本件の争点は,本件裁決の適法性であり,具体的には以下のとおりである。
(1)本件マンションの建築計画の都条例32条6号違反等に関する本件裁決の判断の誤りの有無
(2)本件裁決に係る手続上の違法性
(3)本件裁決に係る裁量権の範囲の逸脱又はその濫用等
 争点に関する当事者の主張の要旨は,別紙3のとおりである。

第3 当裁判所の判断
 当裁判所は,本件マンションの建築計画が都条例32条6号に違反しているとした本件裁決の判断に誤りはなく,その他本件裁決に係る手続上の違法など原告ら及び同補助参加人の主張に係る違法事由はいずれも認められないから,原告らの請求は理由がなく,これを棄却すべきものと判断した。その理由の詳細は以下のとおりである。

1 争点(1)(本件マンションの建築計画の都条例32条6号違反等に関する本件裁決の判断の誤りの有無)について
(1)本件駐車場が避難階以外の階に設けられているかについて
 本件建築物1に設けられた本件駐車場は,「自動車車庫又は自動車駐車場」(以下「自動車車庫等」という。)で,「格納又は駐車の用に供する部分の床面積が500平方メートル以上のもの」(都条例32条)に該当する(前提事実(2)ウ)ところ,本件駐車場が避難階以外の階に設けられていると認められる場合には,同条6号に基づき避難階段を設置しなければならないこととなる。
 「避難階」とは,「直接地上へ通ずる出入口のある階」をいう(施行令13条1号)ところ,本件車路の南端に設けられた南側道路出入口は,地上である南側前面道路に直接通じるため,「直接地上へ通ずる出入口」(以下「地上出入口」ということがある。)に当たる。そして,南側道路出入口の床面は,本件建築物1の南棟の1階床面から約2m上,2階床面から約1m下の高さに位置し,また,同出入口の天井面は,2階の天井面とほぼ同じ高さに位置している(別紙4−2参照)から,同出入口は,本件建築物1の南棟2階とほぼ同じ高さに設けられているといえる。
 これに対し,本件駐車場は,本件建築物1の北棟1階に設けられており,本件建築物1の平面図上,北棟1階と南棟1階はほぼ同一水平面上にあるとされている。また,本件駐車場の直上階である北棟2階は,南棟2階とほぼ同一水平面上であるとされているところ,北棟2階にはゲストルーム等が設けられている(甲3の22〜24)。なお,南棟及び東棟の2階と,本件駐車場とほぼ同一水平面上に位置する東棟及び南棟の1階は,2階の床により空間が区画されており,1階と2階との間を移動するための設備として直通階段A,B及び避難階段Cが設けられている(前提事実(2)カ)。
 このように,南側道路出入口は,本件建物1の南棟2階とほぼ同じ高さに設けられているのに対し,本件駐車場は,南棟1階とほぼ同一水面上にある北棟1階に設けられており,北棟2階には設けられていない。
 これに加えて,本件駐車場の床面(スロープが設けられていない部分)と南側道路出入口の床面との高低差は,約2.5mであり,これは,本件駐車場の床面から天井面までの高さにほぼ相当する。
 以上のような南側道路出入口と本件駐車場のそれぞれの設置位置や,両者の床面の高低差に照らせば,本件駐車場は南側道路出入口とは別の階に設けられているというべきであり,南側道路出入口のある階,すなわち「直接地上へ通ずる出入口のある階」に設けられているとは認められず,したがって,避難階以外の階に設けられていると認めるのが相当である。
 原告らは,本件駐車場と本件車路は,形態上,機能上の不可分一体性を有し,上下の層とは区別された水平方向に物理的連続性を持つ同一平面(床面)を有する一つの層(階)を成すものであるから,本件駐車場は避難階に設けられたものである旨主張する。
 しかし,本件駐車場の床面と南側道路出入口の床面との高低差は上記イのとおり約2.5mであり,本件車路は,幅員が約5.87mで,長さ19mにわたって本件駐車場と南側道路出入口を直線で結び,その勾配は約8分の1であることが認められるところ,これらの客観的形状からすれば,本件車路は,上記の高低差のある本件駐車場(1階)と南側道路出入口(2階)との間を自動車が移動するために設けられた傾斜路であると認められる。したがって,本件駐車場と南側道路出入口が本件車路を介することにより空間的に連続しているからといって,本件駐車場と南側道路出入口が同じ階に設けられていることになるものではない。
 原告らは,都条例31条3号等によれば,傾斜路は自動車車庫等の一部を構成するものである旨主張する。
 しかし,施行令120条は,建築物の避難階以外の階においては避難階又は地上に通ずる直通階段(傾斜路を含む。)を設けなければならない旨を定めているところ,これは傾斜路を介する場合であっても同一階とならない場合があることを前提としているものと解される。そして,都条例31条及び32条についてこれと異なる解釈をすべき合理的根拠はないから,自動車車庫等に附属する車路(傾斜路)を自動車車庫等と常に一体のものとみて,同車路に地上出入口が設けられていることをもって自動車車庫等が避難階に設けられていると評価すべきことにはならないというべきである。そして,本件車路の客観的形状からみて,本件駐車場の一部を構成するものであるとか,本件駐車場と一体のものであると評価することができないことは,上記ウのとおりである。
 なお,原告らは,本件車路は火災等が発生した場合における避難経路として,その構造上避難行動に著しい支障が生ずるものではない旨の主張もするが,本件駐車場が避難階以外の階に設けられているか否かは,本件建築物1の構造上,地上出入口(南側道路出入口)のある階と同じ階に設けられているか否かによって判断されるべきであり,避難行動に著しい支障が生ずるか否かによって判断すべきではない。原告ら補助参加人は,本件車路に手すりを設置することにより階段に代わる傾斜路となる旨主張するが,仮にこのように本件車路が階段に代わる傾斜路となり得る余地があるとしても,本件駐車場と南側道路出入口とが異なる階にあるとされる以上は,階段に代わる傾斜路も異なる階の間を人が移動するためのものとなるのであるから,本件駐車場が避難階以外の階に設けられているとする上記判断が左右されるものではない。したがって,原告ら及び同補助参加人の主張は、いずれも採用することができない。
 以上によれば,本件駐車場は,避難階以外の階に設けられていると認められるから,都条例32条6号が適用され,同号所定の避難階段を設けなければならないというべきである。

(2)本件駐車場に都条例32条6号の避難階段が設けられているか否かについて
(ア)原告らは,仮に本件駐車場について都条例32条6号が適用されるとしても,直通階段A,B−1,B−2(又はB)及び避難階段C(別紙4−1参照)をもって,本件駐車場の避難階段に該当する旨主張する。すなわち,上記各階段のうち,施行令123条に定める避難階段の構造を有しているのは避難階段Cであるところ,原告らは,都条例32条6号の規定は,「避難階又は地上に通ずる直通階段」をもって避難階段と位置付けるものであり,同号の「避難階段」を施行令123条所定の避難階段と同義に解する必要はないから,直通階段A,B−1,B−2(又はB)も都条例32条6号の避難階段に当たる旨を主張するものと解される。
(イ)そこで,この点につき検討すると,自動車車庫等に直通階段又は避難階段の設置を義務付ける都条例の規定は,〔1〕法40条が,特殊建築物の用途や規模等に応じ,地方公共団体の条例で,建築設備等に関して安全等のため必要な制限を附加することができる旨を定めているのを受けて,〔2〕都条例31条5号において,自動車車庫等(その用途に供する部分の合計が50平方メートルを超えるもの)を避難階以外の階に設ける場合は直通階段又はこれに代わる設備を設けることを定め,さらに,〔3〕都条例32条6号において,自動車車庫等が大規模駐車場(前提事実(2)ウ)に該当する場合につき,都条例31条5号の規定にかかわらず,直通階段を設け,避難階段とすることを定めたものである。すなわち,都条例の上記各規定は,自動車車庫等という特殊建築物の用途及び規模に応じて避難の安全性を確保するために,施行令に避難施設の定めのない自動車車庫等についても,一定の要件を備える場合に直通階段又は避難階段の設置を義務付けているものと解される。また,都条例のこれらの規定においては,施行令の規定(120〜123条)と同じく「直通階段」及び「避難階段」との文言を用い,都条例32条6号の「直通階段を設け,避難階段とする」についても,「直通階段」を「避難階段とする」旨を定める施行令122条と同様の表現を用いている。
 以上のような規定の趣旨及び文言に加え,都条例32条6号の「避難階段」を施行令と別異の意味に解すべき明文の規定や解釈上の根拠も見当たらない(都条例の他の規定に施行令と同義とする旨を定めた例があるとしても,それらの例は解釈上の疑義を生じさせないため確認的に定めたものと解することができ,都条例32条6号においてこのような定めがないことのみでは,施行令と別異に解すべき根拠となるものではない。)ことに照らせば,都条例32条6号の「避難階段」は施行令にいう「避難階段」と同義であって,施行令123条の定める避難階段の構造を有するものをいうと解するのが相当である。
 なお,都条例32条6号の「避難階段」につき,原告らの主張する解釈をとるとすると,都条例31条5号により自動車車庫等に設けなければならない直通階段が,避難するための階段であることは,直通階段について定める施行令122条が施行令第5章(避難施設等)の中の規定として位置付けられていることなどからも明らかであることに照らし,あえて「直通階段を設け,避難階段とする」と定める意味がないことになる(都条例31条5号の「これに代わる設備」を除外するためだけならば,都条例32条6号においては,単に「直通階段を設ける」と規定すれば足りる。)ので,この観点からも原告らの主張は採用することができない。
(ア)原告らは,都条例32条6号の避難階段が施行令123条の避難階段と同義であるとしても,避難階段Cをもって本件駐車場に都条例32条6号所定の避難階段が設けられている旨主張するので,以下検討を加える。
(イ)都条例32条の規定がその前提とする都条例31条は,「自動車車庫等の用途に供する建築物又は建築物の部分(中略)の構造及び設備は,次に定めるところによる。」と定めており,これによれば,都条例32条6号の適用においても,大規模駐車場が建築物の一部分に設けられている場合には,同号所定の避難階段は,当該「建築物の部分」に設けられなければならないというべきである。そして,都条例31条5号は「建築物の部分」の範囲について特段の定めを置いていないところ,ある階段が自動車車庫等の部分に設けられているといえるか否かについては,当該階段と自動車車庫等の用途に供する部分との位置関係を考慮するのみならず,自動車車庫等における避難の安全性を確保する観点から施行令の制限を附加し,自動車車庫等の部分に直通階段又は避難階段を設けるべきものとした都条例31条5号及び32条6号の趣旨(前記ア参照)をも考慮して判断するのが相当である。
(ウ)本件駐車場と避難階段Cの位置関係は,別紙4−1のとおりであり,本件駐車場は北棟に設けられているのに対し,避難階段Cは東棟に設けられており,本件駐車場から避難階段Cに到達するためには,別紙4−3のとおり,本件駐車場から東側のサブエントランスを通って1階東側住宅部分(南棟)に入り,さらに直通階段Bの周りをまわり込むようにして廊下を曲がり,東棟に入らなければならない。本件駐車場から1階東側住宅部分に入って直ぐのところには直通階段Bが設けられているところ,このように本件駐車場から比較的容易に到達することができる直通階段Bではなく,同住宅部分の廊下を曲がりさらに別棟に入らなければたどり着くことができない避難階段Cが,本件駐車場から避難しようとする者のための避難施設であるといえないことは客観的に明らかである。
 また,本件車路と1階東側住宅部分及び1階西側住宅部分は,開口部のない耐火構造の壁で区画されており,本件駐車場とその他の住宅部分は施行令第5章第2節の規定の適用の上では別の建築物とみなされ(施行令117条2項),共同住宅の用途に供する建築物である1階東側住宅部分及び1階西側住宅部分は,施行令の規定の適用上,直通階段を設けなければならず(施行令117条1項,121条,法別表第1(い)欄(二)),これに基づき,直通階段Bは,1階東側住宅部分の避難施設として設けられているものである(なお,施行令123条に定める避難階段の構造を有しない直通階段Bが本件駐車場の避難階段といえないことは,前記ア(イ)で説示したとおりである。)。そして,本件駐車場から避難階段Cまでは上記のとおり1階東側住宅部分の廊下を通らなければならないところ,災害時に本件駐車場から避難する人が避難階段Cに向かう際に,その途中に設けられている直通階段Bは1階東側住宅部分の避難施設であることから,同住宅部分の各居室から避難する人が前記廊下を逆方向に向かって来たり,交錯して避難することが想定され,原告らが主張するようにサブエントランスに設けられた扉の電気錠が火災時には火災報知器と連動して開錠される仕様となっているとしても,本件駐車場から避難階段Cまで円滑に移動することができないおそれがある。 このように,避難階段Cが本件駐車場との関係で都条例32条6号所定の避難階段に当たると解すると,自動車車庫等における避難の安全性を確保する観点から施行令の制限を附加し,自動車車庫等に直通階段又は避難階段を設けることとした都条例の規定の前記趣旨に沿わないものとなるというべきである。
 したがって,避難階段Cについては,本件駐車場の部分に設けられた都条例32条6号所定の避難階段と認めることはできない。
(エ)原告らは,法令上,避難階段の重複を禁止する規定は存せず,避難施設が重複していたとしても,実質的に避難施設としての機能が害されないのであれば避難施設を設けた趣旨が没却されるものではなく,本件駐車場は,耐火構造の床又は壁で区画されていることから火災の影響が遮断され,本件駐車場で火災が発生した場合,本件駐車場に居合わせた者は,別の建築物とみなされた1階住宅部分に移動すれば,火災の影響を受けることなく安全に避難することができるのであって,避難上の安全性を損なう事態は生じない旨主張する。
 しかし,大規模震災等により本件駐車場及び1階住宅部分の双方において避難を要する事態も想定されるのであり,原告らの上記主張はその前提を欠くものといわざるをえない。また,上記(ウ)で説示した本件駐車場と避難階段Cとの位置関係や前者から後者に到達するまでの経路等の状況等からすれば,避難階段Cを本件駐車場の避難階段であると位置付けた場合に,実質的に避難施設としての機能が害されないとはいえないというべきであり,この点においても原告らの上記主張は採用することができない。
 以上によれば,避難階以外の階に設けられた本件駐車場は,その部分に都条例32条6号所定の避難階段を設けることを要するところ,これが備えられているとはいえず,本件マンションの建築計画は,同号に違反する違法がある。
 なお,以上の説示は,都条例32条6号の適用に当たって施行令117条2項が適用されることを必ずしも前提としたものではないが,仮に,本件駐車場と1階住宅部分とが施行令117条2項により都条例32条6号の適用に当たっても別の建築物とみなされるとした場合には,1階東側住宅部分に存する避難階段Cをもって本件駐車場の避難階段とみる余地がないことは,上記の事実関係に照らして明らかであるから,いずれにしても,都条例32条6号適合性に関する原告らの主張は採用することができない。

2 争点(2)(本件裁決に係る手続上の違法性)について
(1)審理期間の徒過について
 前記前提事実によれば,原処分庁が平成24年7月26日付けでした建築確認処分(原処分)に対して,審査請求人らが,同年9月28日,原処分の取消しを求める審査請求をし,原処分庁が平成26年3月12日付けでした建築変更確認処分(本件処分)に対し,審査請求人らが,同年4月8日,本件処分の取消しを求める審査請求をし,これらの審査請求事件は併合して審査され,裁決行政庁は,平成27年11月2日付けで,本件裁決をしたことが認められる(前提事実(3))ところ,原告らは,裁決行政庁は,審査請求を受理した日から1か月以内に裁決を行わなければならず(法94条2項),遅くとも平成26年11月以降は,審査請求人らによる新たな違法事由の主張がなく,裁決をするのに熟した状態に至っていたにもかかわらず,本件マンションが完成間近となった平成27年11月2日になってようやく本件裁決をしたものであり,その審理に3年以上の長期間を費やしたことは,手続上の違法と評価されるべきものである旨主張する。
 しかし,審査請求事件として審理の対象となる事案の性質等によっては,双方の主張立証を十分に尽くさせた上で判断することを要する場合も考えられ,また,このような場合には,それに関する各種書類の作成,口頭審理などの諸般の手続も経るべきこととなるのであるから,これらを勘案すれば,適正な審理のために1か月を超える審理期間を要する場合があり得ることは否定できない。したがって,審査請求を受理した日から1か月以内に裁決すべきことを定める法94条2項の規定は,審理の迅速化の観点からの努力目標を定めたものと解するべきであり,同項所定の期間が経過した後に裁決がされたことをもって直ちに裁決の手続上違法と評価されるべきものではなく,争点の多寡及び難易度等を含めた事案の性質,当事者の主張立証活動,必要とされる事務処理の内容その他の手続に関する事情に照らし,上記の期間を徒過したことにつき合理性を欠くことが明らかである場合に限り,裁決の手続上違法となると解するのが相当である。
 これを本件についてみると,〔1〕原処分に対する審査請求事件及びこれと併合して審査された本件処分に対する審査請求事件において,本件マンションに係る建築計画につき,被告参加人を含む審査請求人らから,大別しても,原処分につき21項目,本件処分につき10項目にも及ぶ違法事由が主張されており(甲1・3〜27頁,甲1の別紙4〜18,同34〜48),裁決行政庁においては,これに対する原処分庁の弁明(甲1・28〜46頁,甲1の別紙19〜33,同49〜62)及び参加人である原告らの意見(甲1の46頁,甲1の別紙63〜69)をも含めて整理する必要があったものであり,かつ,〔2〕争点は必ずしも単純ではなく,いずれか一方の主張が正当であると直ちに判断できる状況にはなかった。
 また,〔3〕審査請求人ら及び原処分庁からは,別紙5のとおり,平成27年10月頃まで主張書面の提出が続き,その数は,審査請求人らからの反論書と題する書面及び原処分庁からの弁明書と題する書面だけでもそれぞれ25と多数にのぼり,本件裁決においては,これらを踏まえた判断を示す必要があったことが認められ,裁決書本文は目次部分を除いて77頁にも及んでいる(甲1)。
 以上のような上記各審査請求事件の事案の性質,当事者及び参加人(原告ら)の主張立証活動,必要とされる事務処理の内容その他の手続に関する事情に照らせば,本件裁決をするまでに,原処分に対する審査請求から3年以上,同審査請求と併合審理された本件処分に対する審査請求から1年6か月以上を経て本件裁決がされたことが,明らかに合理性を欠くとはいえない。
 原告らは,審査請求人らが,原告らに大きな打撃を与えるために意図的に審理の遅延を図り,主張を小出しにしたり探索的な主張を繰り返したりしたなどと主張する。
 しかし,審査請求人らの主張立証活動に原告らの主張するような問題があったか否かにかかわらず,当事者の主張立証活動の不当(違法)が直ちに裁決の手続上の違法となるものではないから,審査請求人らによる主張立証活動のいかんによって上記イの判断が左右されるものではなく,原告らの上記主張は採用することができない。

(2)審査請求人らの不服申立適格の有無及び主張制限の肯否について
(ア)法94条1項により,指定確認検査機関がした処分に対する審査請求は,行政上の不服申立ての一種にほかならないものである。そして,平成26年3月12日付けでされた本件処分に対する審査請求には,旧行審法が適用される(平成26年法律第68号の附則2条)ところ,旧行審法4条1項本文は,「行政庁の処分(この法律に基づく処分を除く。)に不服がある者」は,審査請求又は異議申立てをすることができると定め,行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為に対して不服がある者に限って不服申立てを認めているところ,かかる行政上の不服申立て制度は,国民の権利・利益の救済を図ることを主眼としたものというべきである。
 したがって,行政庁の処分に対し不服申立てをすることができる者は,法律に特別の定めがない限り,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれがあり,その取消し等によってこれを回復すべき法律上の利益を持つ者に限られるべきであり(最高裁昭和49年(行ツ)第99号同53年3月14日第三小法廷判決・民集32巻2号211頁参照),処分の相手方以外の者について前記の法律上保護された利益の有無を判断するに当たっては,処分の取消しの訴えにおける原告適格の有無の判断(行政事件訴訟法9条2項)と同様に,当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮すべきであり,この場合において,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案すべきである。
(イ)建築確認は,法6条1項(法6条の2第1項によるみなし適用の場合を含む。以下同じ。)に基づき,建築主事又は指定確認検査機関が,建築物の建築等の工事が着手される前に,当該建築物の計画が建築基準関係規定に適合していることを公権的に判断する行為であって,それを受けなければ当該工事をすることができないという法的効果が付与されているところ,その趣旨は,〔1〕当該建築物並びにその居住者の生命,身体の安全及び健康の保護を図り,〔2〕当該建築物及びその周辺の建築物における日照,通風及び採光等を良好に保つなど快適な生活環境を確保することができるようにするとともに,〔3〕地震及び火災等により当該建築物が倒壊し,又は炎上するなどの事態が生じた場合に,その周辺の建築物やその居住者の生命,身体等に重大な被害が及ぶことのないようにするためであると解される。
 これに加えて,法が,建築物の敷地,構造,設備及び用途に関する最低の基準を定めて,国民の生命,健康及び財産の保護を図ることなどを目的としていること(1条)をも考慮すると,法6条1項は,当該建築物の倒壊,炎上等による被害又は日照等の生活環境に係る著しい被害が直接的に及ぶことが想定される周辺の一定範囲の地域に存する他の建築物について,その居住者の生命,身体の安全及び生活環境や,その所有者の財産上の利益を,個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むものと解すべきである。そうすると,建築確認に係る建築物の倒壊,炎上等による被害,あるいは,日照の阻害等の生活環境に係る著しい被害を直接的に受けることが想定される範囲の地域に存する建築物に居住し又はこれを所有する者は,当該建築確認(建築変更確認を含む。)によって法律上保護された利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者に当たるものと解するのが相当である。
 そして,本件マンションのうち本件建築物1は,地上8階,地下2階から成る建築物であり,その最高部の高さは26.896mであるところ,弁論の全趣旨によれば,審査請求人らは本件マンションの敷地からおおむね30m以内の隣接地に居住していることが認められるから,本件マンションの倒壊,炎上等により直接的に被害を受け,あるいは,本件マンションの建築により日照の阻害等の生活環境に係る著しい被害を直接的に受けることが想定される範囲の地域に存する建築物に居住する者といえる。
 そうすると,審査請求人らは,本件処分の効力によって法律上保護された利益を侵害され,又は侵害されるおそれのある者に当たるというべきである。
 したがって,審査請求人らには,本件処分の取消しを求める不服申立適格が認められるから,裁決行政庁が審査請求人らを当事者として本件裁決をしたことに違法はない。
(ウ)原告らは,大規模駐車場に係る避難階段についての技術基準を規定する都条例32条6号は,当該建築物内部に滞在する者を火災等の危険から保護するための規定であり,当該建築物の近隣に居住する者を保護するための規定ではないから,審査請求人らは,本件処分によって侵害されるおそれのある法律上保護された利益を有する者ではなく,都条例32条6号違反を理由に本件処分の取消しを求める不服申立適格を有しない旨主張する。
 しかし,本件処分の根拠規定である法6条1項が,建築確認の対象となる建築物の倒壊,炎上等による被害等が直接的に及ぶことが想定される周辺の一定範囲の地域に存する他の建築物について,その居住者等の利益を個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むものと解すべきことは上記(イ)で説示したとおりであり,原告らの上記主張は不服申立適格の問題と主張制限の問題を混同するものであって,採用することができない。
 原告らは,審査請求においても,取消訴訟における主張制限の規定(行政事件訴訟法10条1項)を類推適用すべきであり,審査請求人らによる自らの法律上の利益に関係しない都条例32条6号違反の主張を認めた本件裁決には手続上の違法がある旨主張する。
 しかし,行政事件訴訟法10条1項は,取消訴訟を対象とする規定であって,旧行審法にこれを準用する旨の規定は見当たらず,他に同法上の審査請求手続において同項が類推適用されると解すべき根拠もないから,原告らの上記主張は採用することができない。
(3)理由付記の不備の有無について
 原告らは,本件裁決は,審査請求手続における原処分庁の主張を曲解するなどしたものであって,その判断過程は著しく不合理かつ不公正なものであるから,実質的理由が付されたものとはいえず,理由付記(旧行審法41条1項)及び適正手続に違反するものである旨主張する。
 そこで検討すると,審査決定の書面に附記すべき理由としては,審査請求人の不服の事由に対応してその結論に到達した過程を明らかにしなければならないものと解されるところ(最高裁判所昭和36年(オ)第409号同37年12月26日第二小法廷判決・民集16巻12号2557頁参照),裁決書(甲1)において示された理由の概要は,前提事実(3)オのとおりであり,要するに,本件駐車場は避難階に当たるとはいえず,本件駐車場に避難階段が設置されていないから都条例32条6号に違反するなどというものであり,結論に到達した過程が明らかにされているということができ,理由附記の不備があるとはいえない。
 原告らは,別紙3の(2)(原告らの主張の要旨)ウのとおり主張するところ,かかる主張は,本件裁決の前記理由が誤りであることを主張するものにすぎず,本件裁決を取り消すべき理由附記の不備を基礎付けるものということはできない。
 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。

3 争点(3)(本件裁決に係る裁量権の範囲の逸脱又はその濫用等の有無)について
(1)ア 原告らは,本件処分の取消しによって生ずる社会的,経済的不利益(本件裁決時において,本件マンションはほぼ完成し,全107戸が既に完売済みであったこと)等の諸事情を考慮すれば,都条例32条6号違反という一事をもって,本件処分を取り消すことが公共の福祉に適合しないことは明白であるから,旧行審法40条6項にいう「公の利益に著しい障害を生じる場合」に当たるものとして裁量により審査請求人らの請求を棄却する旨の事情裁決をすべきであり,これをせずに同請求を認容した本件裁決は,比例原則に反するものであり,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして,違法なものというべきである旨主張する。
 しかし,旧行審法40条6項は「処分が違法又は不当ではあるが,これを取り消し又は撤廃することにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において,審査請求人の受ける損害の程度,その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ,処分を取り消し又は撤廃することが公共の福祉に適合しないと認めるときは,審査庁は,裁決で,当該審査請求を棄却することができる」旨定めるところ,同項が「公共の福祉に適合しないと認めるときは」「審査庁は」「棄却することができる」と定めていることや,処分の取消し等について,公の利益に係る著しい障害や公共の福祉への適合性が考慮されるべき要素とされていることなどからすれば,審査庁が事情裁決をするか否かは,審査庁の広範な裁量判断に委ねられているというべきである。
 そして,本件裁決において本件処分を取消した理由は,本件マンションの建築計画が大規模駐車場に避難階段を設けるべきことを定める都条例32条6号に違反するというものであるところ,同号の定める避難階段の設置は,災害時の避難の安全を確保し,人の生命や身体を保護するためのものである。そうすると,裁決行政庁において,都条例32条6号違反を認めた以上、本件処分を取り消すことが公共の福祉に適合しないものとはいえないから,本件処分の取消しを求める審査請求に対して事情裁決をしなかったことが合理性を欠くものとはいえない。
 原告ら補助参加人は,本件裁決が駐車場の車路という性質上中間部に手すりを設けることはあり得ないとの誤った前提に立って施行令26条2項,25条1項及び3項所定の基準への適合可能性を検討することなく漫然と行われたものであり,このことからすれば,本件処分を取り消すことは公共の福祉に適合しない旨主張する。しかし,原告ら補助参加人の同主張は,本件駐車場に避難階段が設けられていないことによる都条例32条6号違反についての本件裁決の判断の誤りをいうものにすぎず,事情裁決をしなかったことを違法とする根拠となるものではない。

(2)原告らは,裁決行政庁は,適時適切に審査手続の進行を図るべきであったにもかかわらず,これをしなかったものであり,裁決行政庁には審査手続の進行について一定の裁量権が認められるとしても,本件マンションがほぼ完成した時点に至って本件裁決を行ったことが,いわゆる時の裁量権を逸脱した違法となる旨主張する。しかし,本件処分に係る審査請求事件の事案の性質,当事者の主張立証活動,必要とされる事務処理の内容その他の手続に関する事情に照らせば,上記審査請求事件の審査に相当の期間を費やしたとしても合理性を欠くといえないことは前記2において判示したとおりであるから,原告らの上記主張は採用することができない。

第4 結論
 以上によれば,原告らの請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。

東京地方裁判所民事第51部
裁判長裁判官清水知恵子
裁判官村松悠史
裁判官和田山弘剛は,転補につき,署名押印することができない。
裁判長裁判官清水知恵子


(別紙1)当事者目録

原告株式会社NIPPO
同代表者代表取締役岩田裕美
同訴訟代理人弁護士植竹勝
原田崇史
原告神鋼不動産株式会社
同代表者代表取締役花岡正浩
同訴訟代理人弁護士伊藤拓
岡本直己
上記両名補助参加人
同訴訟代理人弁護士丸山健
木下祐介
被告東京都
同代表者知事小池百合子
裁決行政庁東京都建築審査会
同審査会代表者会長河島均
指定代理人新保裕子
中田智裕
被告参加人
同訴訟代理人弁護士日置雅晴
農端康輔
以上

(別紙2−1)

(別紙2−2)

(別紙2−3)

(別紙2−4)

(別紙3)争点に関する当事者の主張の要旨
(1)争点(1)(本件マンションの建築計画の都条例32条6号違反等に関する本件裁決の判断の誤りの有無)について
(原告らの主張の要旨)
 本件駐車場の「避難階」該当性について
(ア)都条例32条6号は,大規模駐車場を避難階以外の階に設ける場合に避難階段を設置することを義務付けているところ,施行令13条1号は,「避難階」を「直接地上へ通ずる出入口のある階」と定めている。かかる定めに照らせば,「避難階」とは,「建築物内部の区画,空間と外部空間とを区別する出入口が作り備えられた上下の層とは区別された水平方向に物理的連続性を有する同一平面(床面)を有する個々の層」を意味するものと解され,関係法令上,それ以上の要件は要求されていない。本件裁決は,「直接地上へ通ずる」との要件につき,「基本的に階段や傾斜路を介さずに地上に出られる状態を指していると考えられ」るとするが,そのような解釈は,「避難階」に該当するための要件を不当に附加,加重するものである。
 本件駐車場と本件車路は,形態上,機能上の不可分一体性を有し,上下の層とは区別された水平方向に物理的連続性を持つ同一平面(床面)を有する一つの層(階)であって,本件マンションの内部空間と,外部空間である南側前面道路(地上)とを区別する「出入口」である南側道路出入口が作り備えられているから,本件駐車場は避難階に設けられたものである。
 本件駐車場が本件車路を含めて,形態上,機能上の不可分一体性を有する総合体として「自動車車庫及び自動車駐車場」に当たり,一つの「階」をなすことは,都条例が,駐車場における車路(傾斜路)の勾配や路面についての技術的基準(仕様)を定める(31条3号)とともに,大規模な駐車場の車路の幅員や屈曲部の内のり半径について定め(32条2号),車路部分と駐車スペース部分を併せて駐車場を構成するものとして位置付けていること,駐車場法及び同法施行令においても自動車の駐車のための施設とは車室や車路を含む総合体であるとされていることから明らかである。
(イ)施行令13条1号は,「避難階」という核となる自己完結した概念を定義し,これに基づき各「階」が避難階に当たるかが決まることを前提として避難階以外の階における避難施設等の内容・構造を規律しているのであり,避難施設等の内容・構造の有り様が,「避難階」該当性を左右するものではなく,直通階段の設置を義務づける施行令120条によって,避難階が地上面と概ね同一水平面ないし同一レベルにあることや,避難階の内部が平坦であることが必要となるものではない。本件車路は,約2.5mの高低差がある勾配約8分の1の傾斜路となっているが,本件駐車場と不可分一体のものであって都条例31条3号の「傾斜路」には当たるが,施行令26条の「階段に代わる傾斜路」となるものではない。
(ウ)避難階内部に傾斜が存在するとしても,当該傾斜が人の通行を著しく困難にするほど急勾配のものであるなどの特段の事情がない限り,一つの階として避難階に当たるというべきところ,本件車路は火災等が発生した場合における避難経路として,その構造上避難行動に著しい支障を生じるものではなく,上記特段の事情があるとはいえない。
 都条例32条6号所定の避難階段の有無について
 仮に本件駐車場が避難階以外の階にあるとしても,本件駐車場には,都条例32条6号所定の避難階段が設置されているから,同号の違反はない。
(ア)以下のとおり,都条例32条6号所定の避難階段の有無の判断にあたっては,施行令117条2項は適用されず,本件駐車場とその他の住宅部分は一体の建築物として扱われる。
 すなわち,施行令117条2項は,物理的に一体の建築物であっても,耐火構造の床又は壁で区画された部分で,区画どうしを繋ぐ開口部がない場合には,法技術的に「別の建築物とみな」して区画ごとに施行令第5章第2節の規定を適用することとしているところ,同項は,かかる効果が生じる範囲ないし限界を「この節の規定の適用については」と定めており,同節の規定以外の規定について施行令117条2項が適用されることを定める規定は存在しない。法40条は,地方公共団体に,その地方の気候・風土や特殊建築物の用途・規模等の事情から必要となる場合には,建築設備等に関して安全上又は防火上等の追加措置を条例によって定めることを認めたものであるところ,法及び施行令によって規制されていない分野について新たに規制を行う場合には,法及び施行令による既存の規制が前提となるものではない。
 施行令第5章第2節は,117条から126条までの条文により構成されるが,同節の適用範囲を定める117条はいわば総則的な規定であり,具体的な規制内容を定める118条以下の12か条は,その規定の内容からして居室を起点として屋外の出口までを一連の避難経路として,避難施設の設置,構造に係る規制を行うものであり,施行令第5章第2節は非居室からの避難に係る規制については沈黙している。施行令117条2項の法意は,同条1項に列挙する建築物が,開口部のない耐火構造の床又は壁で区画されている場合に居室が存する区画を独立した建築物として扱うことによって,居室からの避難の実効性を確保することにある。
 そうすると,非居室である大規模駐車場からの避難について規制する都条例32条6号は,法40条に基づく創設的な規定というべきであり,非居室である本件駐車場に居室からの避難に係る規定である施行令第5章第2節の各規定が適用されることはないから,施行令117条2項が適用される余地はない。
 また,都条例11条は,施行令122条が規制対象としていない建築物(高さ31mを超える部分に就寝施設等を有しているが,15階以上でないため施行令122条の適用対象とならないもの)について特別避難階段設置義務を課しており,都条例32条6号と同様に,条例をもって新たに規制を加えるものであるところ,都条例11条3項には,施行令117条2項と同様の定めがある。これに対し,都条例32条6号については,これに類する定めはない。
(イ)都条例32条6号は,単に「避難階段」との文言を用いており,都条例の他の規定(例えば,都条例7条の2第2項1号)のように施行令123条1項又は2項に規定する避難階段とは定めていないことからすれば,都条例32条6号の趣旨は,「避難階又は地上に通じている直通階段」をもって避難階段と位置付けるべしとするものであると解され,同号の「避難階段」は,それをもって十分であり,施行令123条1項又は2項所定の避難階段と同義に解する必要はない。また,都条例32条6号が「31条5号の規定にかかわらず,避難階又は地上に通ずる直通階段を設け,避難階段とすること」と定める趣旨は,都条例31条5号が,自動車車庫等について「避難階若しくは地上に通ずる直通階段又はこれに代わる設備を設けること」として直通階段の代替設備を許容しているのに対し,大規模駐車場の場合にはこれを許容しないとする趣旨である。
(ウ)以上に加え,都条例32条6号所定の「避難階段」が本件駐車場内部に設置されなければならないとの規定は存しないから,直通階段A,B−1,B−2(又はB)及びC(別紙4−1参照)は,本件駐車場の避難階段に該当する(なお,直通階段B−1は,直通階段Bのうち地上2階につながる上りの階段であり,直通階段B−2は,同じく地下1階につながる下りの階段である。本件駐車場からの避難経路は別紙4−3のとおりである。)。
 仮に都条例32条6号の避難階段が施行令123条の避難階段でなければならないとしても,避難階段Cは,同条の構造を有し,かつ,避難階又は地上へ通ずる直通階段であるから,同条の避難階段に当たる。
(エ)都条例32条6号の適用に当たり施行令117条2項が適用され,本件駐車場とその他の住宅部分が別の建築物とみなされるとしても,都条例32条6号所定の避難階段が,駐車場内部に設置されなければならないとする規定はない。また,「建築物の部分」(都条例31条)である本件駐車場の部分に避難階段を設けなければならないとしても,住宅部分の各階段は,同部分に設けられているといえる。
(オ)法令上,避難階段の重複を禁止する規定は存しない。
 本件建築物1は,物理的には一体の建築物であるにもかかわらず,施行令122条を含む施行令第5章第2節の規定の適用に関してのみ,施行令117条2項により別の建築物とみなされるにすぎない。そして,別の建築物とみなされた建築物の避難施設が重複していたとしても,実質的に避難施設としての機能が害されないのであれば,避難施設を設けた趣旨が没却されるものではないのであり,必ずしも別の建築物とみなされた避難施設から独立して確保しなければならないものではない。また,避難経路が重複することは,法令上も想定されている事態であり(施行令121条3項参照),避難経路が重複することは問題視されるべきではない。
 実質的にみても,本件駐車場は,耐火構造の床又は壁で区画されていることから火災の影響が遮断されているのであり,本件駐車場で火災が発生した場合には,本件駐車場に居合わせた者は,南側道路出入口から屋外に避難するほか,本件各サブエントランスの扉(扉の電気錠は,火災時には火災報知器と連動して開錠される仕様となっている。)から別の建築物とみなされた1階の住宅部分に移動すれば,火災の影響を受けることなく安全に避難することができるのであって,避難上の安全性を損なう事態は生じない。
 なお,施行令122条1項の適用にあたっては,その前提として施行令117条2項が適用され,本件駐車場と他の住宅部分はそれぞれ別の建築物とみなされるため,施行令122条1項ただし書により,直通階段A及びBは施行令123条の避難階段の要件を満たす必要はなく,直通階段としての要件を満たせば足りるのであり,施行令122条1項の違反はない。

(原告ら補助参加人の主張の要旨)
 都条例は,大規模駐車場の車路につき,必ずしも二方通行を義務付けておらず,一方通行を禁止するものでもないから,本件駐車場の車路の一方の端(壁)から1.5m程度の位置に手すりを設置すれば都条例32条1号(一方通行の場合の車路の幅員)所定の基準を満たし,かつ,人の通行に供する「階段に代わる傾斜路」として施行令26条2項,25条1項及び3項に定める基準(手すりの設置)を満たすことになる。したがって,本件駐車場については,車路を一方通行とした上でその中間部に手すりを設置することにより「直接地上へ通ずる出入口」(施行令13条1号)の存する「避難階」に該当することになるというべきである。

(被告の主張の要旨)
 本件駐車場の「避難階」該当性について
(ア)「避難階」は,火災等の発生時に安全に建築物の内部から外部空間である地上へ避難できるようにするための重要な役割を担う階であり,施行令13条が避難階につき「直接」地上へ通ずる出入口のある階と定め,施行令120条が,避難階に該当しない場合には階段又は傾斜路により地上面との高低差を解消する必要があることを想定して直通階段を設けなければならないと規定していることからすると,「直接地上へ通ずる」とは,基本的に階段や傾斜路を介さず地上に出られる状態(地上面とおおむね同一水平面ないし同一レベルにあること)を指しているというべきである。ある部分とある部分が同一階に属するかは,法の規定のほか,当該建物の構造や用途等を総合的に考察して,社会通念に照らして決するほかなく,その高低差,直下階又は直上階との位置関係,法の諸規定等の要素が,重要な判断要素となるというべきである。
 なお,地上面と同一水平面ないし同一レベルにあることを厳格に要求した場合にはかえって安全性や機能性を損なう事態が生ずることも想定されるため,地上面との高低差が避難の障害にならない程度の軽微なもの(1m程度)である場合など,地上面との高低差や接続の状況,その避難上の有効性も踏まえ,安全な避難が可能と認められる場合には避難階と認定し得ることもあるというべきである。
(イ)都条例32条は,大規模駐車場につきその構造及び設備に制限を加えたものであって,当該部分の床面積には車路等を含まないことからすれば,避難階の判定に当たっても本件車路を含めることなく,当該部分に着目して「直接地上へ通ずる」かを判断すべきである。
(ウ)本件車路は,幅員が3mを超えているにもかかわらず,中間部に手すりが設置されておらず,階段に代わる傾斜路として要求される構造(施行令26条2項,25条1項及び3項)を満たすものではなく,人の通行に供する階段に代わる傾斜路としての条件を満たさない。また,火災等発生時の避難の際には,本件車路を通じてほぼ1階の高さに相当する約2.5mの高さを上がらなければならない構造となっているから,本件駐車場から外部空間に避難するために有効に機能するものではなく,またそのような勾配のある本件車路と本件駐車場は「同一水平面」ないし「同一レベル」にあるものではなく,本件駐車場は,「避難階」に該当しないというべきである。
 都条例32条6号所定の避難階段の有無について
(ア)法35条の委任を受けた施行令の避難施設等に関する総則的な規定である施行令117条2項が,法40条の規定に基づく建築物の構造及び建築設備等に関する法所定の制限の附加を趣旨とする都条例の各規定を適用するに当たり,その前提として適用されるべきことは,法令の体系からして明らかである。
 また,施行令117条2項は「開口部のない耐火構造の床又は壁で区画されている場合」は防火上完全に区画され,火災の影響が遮断されたものとみなすことができるので,区画ごとに各々別個に,当該区画に見合った避難経路を設置すべきことを求める規定であって,その考え方は,施行令第5章第2節の規定が適用される場合に限定されず,避難施設等に関わる規定の適用に際し,その前提としてすべからく適用されるべきものである。
 法35条の規定を受けて施行令117条1項は,施行令第5章第2節の規定を適用すべき範囲を定めるから,同項に定める建築物に当たれば,施行令117条2項を含む施行令第5章第2節の規定が適用されることとなるのであり,施行令117条2項の適用範囲は,居室が存する場合に限定されるものではない。
 原告らは,施行令117条2項の規定が都条例32条には適用されない根拠として,都条例11条3項のような施行令117条2項と同様の明文規定が都条例32条にはないことを挙げているが,都条例11条3項は確認的な規定にすぎない。
 そして,本件建築物1は,施行令117条1項が定める「階数が3以上である建築物」及び「延べ面積が1000平方メートルを超える建築物」のいずれにも当たるから,その全体につき,施行令117条2項を含む施行令第5章第2節が適用され,都条例32条6号の適用に当たって,本件駐車場は住宅部分と別の建築物とみなされる。
 都条例32条6号の避難階段は,施行令123条の規定による避難階段を意味することは明らかであるから,直通階段A,Bは都条例の避難階段に該当しない。なお,直通階段Bは一連の直通階段であって,原告らが主張するようにB−1,B−2の2つの階段に分断して捉えるべきではない。
(イ)都条例31条は,建築物のうち「自動車車庫等の用途に供する」「部分」を適用対象としていることは文言上明らかであるところ,本件駐車場はこれに該当し,都条例32条の適用においても,本件駐車場の部分につき同条が定める構造及び設備を備えなければならない。
(ウ)避難階段Cは,都条例31条柱書きの「自動車車庫等の用途に供する建築物」又は「自動車車庫等の用途に供する(中略)建築物の部分」のいずれにも該当しない1階東側住宅部分に設置される避難階段であるため,避難階段Cをもって本件駐車場の設備に該当するということはできない。
 原告らは,サブエントランスを通じて本件駐車場から直通階段Cを通じた避難経路が確保されているなどと主張するが,サブエントランスには電気錠が設置される計画である以上,直通階段Cは,避難経路として適切でない可能性が高い。
 本件建築物1には施行令117条2項が適用され,別の建築物とみなされ,各々の部分につき独立した避難施設等を確保することが求められているから,1階東側住宅部分の避難施設を本件駐車場の避難施設として重複利用することは許されない。
 なお,原告らは,施行令122条1項の適用にあたっては,その前提として施行令117条2項が適用され,本件駐車場とその他の住宅部分が,別の建築物とみなされ,施行令122条1項ただし書により,直通階段A及びBは施行令123条の避難階段の要件を満たす必要はないと主張するが,原告らは都条例32条6号の適用にあたっては,本件駐車場と住宅部分を一体的な建築物として取り扱うことを主張しているのであり,矛盾した解釈により避難階段の設置義務を免れるものといわざるをえない。施行令117条2項の適用により別の建築物としてみなすこととされた区画相互間において避難経路の重複や交錯が生じるなど安全性を損なう事態が生じ,不当である。
 仮に,本件建築物1に施行令117条2項を適用せず,本件建築物1を一体の建築物とした場合には,本件駐車場において床面積100平方メートル以内ごとの防火区画が設けられていないことから,主要構造物が耐火構造である建築物につき避難階段又は特別避難階段の設置を免除している施行令122条1項ただし書が適用されないため,本件建築物1の5階以上の階に通ずる直通階段である直通階段A及び直通階段Bは,同項本文により「避難階段」としなければならないが,いずれも施行令123条の規定による避難階段ではない。

(被告参加人の主張の要旨)
 本件駐車場の「避難階」該当性について
 施行令25条等によれば,床面に1m以上の高低差がある場合には特段の事情がない限り,同一の「階」には当たらないと解されるから,本件車路部分に約2.5mの高低差がある以上,本件車路は,本件駐車場とは同一の「階」にあるものではなく,階段に代わる傾斜路として機能する。
 仮に,原告らが主張するように本件駐車場が「避難階」であるとすると,本件駐車場の存する1階(各居室を含む。)にとっての「地上に通ずる出入口」は南側道路出入口のみであるから,本件車路は,避難経路として施行令26条,25条1項及び3項所定の階段又は階段に代わる傾斜路の要件(両側及び中間部における手すりの設置)を満たす必要があるにもかかわらず,これが満たされていない。
 都条例32条6号所定の避難階段の有無について
 都条例は,法40条にいう制限附加条例であり,都条例32条6号は,駐車場法施行令10条及び施行令122条の横出し条例としての性質を有している。そして,施行令117条2項は,完全に区画された建築物であり,区画された部分で相互に行き来がないのが本来想定されている形状である場合に,「別の建築物」として屋内の避難経路を別に確保することを求めるものであり,それが立法担当者の意思でもある。また,施行令第5章第2節の規定は,居室からの避難に限定する規定ではなく,施行令119条,125条の2及び126条は,居室以外の部分からの避難経路について規制しているものである。
 また,住宅部分の階段は,共同住宅の用途の部分に関する階段であり,本件駐車場の階段とはいえない。
 都条例32条6号が設置を義務づけている避難階段が,施行令が定める避難階段を意味することは,都条例において施行令等の上位規範で定義付けられた用語を,特段定義規定を設けずに用いていることや,都条例が直通階段と避難階段を区別して規定していることなどから明らかである。

(2)争点(2)(本件裁決に係る手続上の違法性)について
(原告らの主張の要旨)
 審理期間の徒過の違法の有無について
 裁決行政庁は,審査請求を受理した日から1か月以内に裁決を行わなければならず(法94条2項参照),建築審査会は,これを遵守して誠実に対処すべき義務を負っているところ,原処分に係る審査請求が平成24年9月28日に,本件処分に係る審査請求が平成26年4月8日にそれぞれ行われ,同年11月以降は,審査請求人らによる新たな違法事由の主張がなく,裁決をするのに熟した状態に至っていたにもかかわらず,本件マンションが完成間近となった平成27年11月2日になってようやく裁決をしたものであり,その審理に3年以上の長期間を費やしている。これは,審査請求人らが,審査請求当時,文京区において「絶対高さ制限を定める高度地区の指定」の制定が検討されていたこと(前提事実(3)イ)を奇貨として,その施行後に本件処分を取り消す旨の裁決が出されれば本件マンションの上部を削って建築設計をし直さなければならなくなることから,原告らに大きな打撃を与えるために意図的に審理の遅延を図り,主張を小出しにしたり探索的な主張を繰り返したりしたことによるものであり,審査請求人らによる審査請求は権利の濫用に等しいものというべきである。その結果,原告らは,完売済みであった本件マンション全107戸に係る売買契約を全て解除することを余儀なくされ,完成間近である本件マンションの維持管理のために莫大な費用を支出せざるを得なくなったほか,上記各戸の購入者やその家族に多大な経済的,精神的損害を及ぼすこととなった。
 裁決行政庁において,適切に審理を進行していれば,このような長期間を費やすことなく裁決をすることができたのであって,本件マンションの完成間近の段階で原告らにとって不意打ちとなる本件裁決をしたことは著しく不合理であり,法94条2項に違反するとともに,簡易迅速な手続による行政の適正な運営の確保を求める旧行審法(別紙2−4参照)1条1項や適正手続に違反する。法94条2項の規定が訓示規定であるとしても,審査請求人の権利利益の救済,利害関係人の利益保護を含む法的安定性の要請からすれば,同項所定の期間を単なる努力期間にすぎないということはできない。
 審査請求人らの不服申立適格の有無及び主張制限の肯否について
 都条例32条6号は,建築物の居住者を始めとする当該建築物の大規模駐車場に滞在する者(ドライバーや居住者等)を火災等の危険から保護するための規定であり,当該建築物の近隣に居住する者を保護するための規定ではないから,審査請求人らは,本件処分によって侵害されるおそれのある法律上保護された利益を有するものではなく,都条例32条6号違反を理由に本件処分の取消しを求める不服申立適格を有しないというべきである。そのような審査請求人らによる審査請求を認容した本件裁決は,適正手続に違反している。
 また,旧行審法4条にいう「行政庁の処分に不服がある者」とは行政事件訴訟法9条にいう「法律上の利益を有する者」と同趣旨であると解されていることや,同法が取消訴訟と審査請求につき自由選択主義を採用していることなどからすれば,審査請求においても,取消訴訟における主張制限の規定(同法10条1項)を類推適用すべきである。しかるに,審査請求人らは,自らの法律上の利益に関係しない都条例32条6号違反の主張をし,本件裁決もこれを認めたものであるから,本件裁決は,審査請求手続に類推適用される行政事件訴訟法10条1項に違反し,適正手続に違反する。このように解さなければ,審査請求を棄却する裁決がされた場合には審査請求人らが取消訴訟を提起し,同訴訟の主張において,同法10条1項による主張制限が適用されるのに対し,本件裁決のように審査請求を認容する裁決がされた場合には同一の紛争であるにもかかわらず,審査請求人らが訴訟の相手方とはならず上記主張制限の適用がされないという不均衡が生ずる。
 理由付記の不備の有無について
 本件裁決は,その判断過程が著しく不合理かつ不公正なものである。本件裁決は,以下の点等が示すように,原処分庁の予備的,仮定的主張を曲解し,本来は存在しない仮想命題を定立し,議論をすり替え,実際には存在しない「原処分庁の法令適用の問題」を無理矢理創出して判断しているのであり,実質的理由が付されたものとはいえず,理由付記(旧行審法41条1項)及び適正手続に違反するものである。
(ア)原処分庁は,口頭審査や弁明書において,本件駐車場は本件車路を含めて施行令所定の「避難階」に当たると主張していたにもかかわらず,本件裁決は,本件車路が駐車場に含まれないことについての根拠や理由を説明することなく,本件車路を含まない駐車スペース部分のみを駐車場と捉えて,原処分庁の主張には根拠がないと判断している。
(イ)原処分庁は,本件駐車場が「避難階」に当たることを前提に,予備的又は仮定的に上記駐車場から避難階段を通じた避難経路について説明したにとどまるにもかかわらず,本件裁決は,この点をもって,原処分庁が上記駐車場につき「避難階」に該当しないことを自認したものと評価している。
(ウ)原処分庁は,本件車路が都条例31条2号所定の傾斜路であり,施行令26条所定の階段に代わる傾斜路ではないと主張したにもかかわらず,本件裁決では,本件車路が同条所定の「階段に代わる傾斜路」であることが前提とされている。
(エ)本件裁決は,施行令117条2項が適用されることを積極的に認定した上で都条例32条6号の違反を認定しているにもかかわらず,それとは異なり,施行令117条2項が適用されない場合の違法を,同項が適用されないことを認定することなく予備的,仮定的に認定している。

(被告の主張の要旨)
 審理期間の徒過の違法の有無について
 審査庁が裁決をなすべき期間に関する法94条2項の定めは,訓示規定にすぎず,本件裁決が当該期間を経過した後にされたことにより,本件裁決が違法とされる余地はない。審査請求人らからは,多数の違法事由が主張されており,これに対する原処分庁の弁明及び参加人の意見について必要な審理を行い,判断をするためには,相応の期間が必要であったことは明らかであり,本件裁決につき,不当に遅延してなされたものと評価される理由はない。
 審査請求人らの不服申立適格の有無及び主張制限の肯否について
 法6条の2第1項の趣旨及び目的,同項が法6条1項各号において保護しようとしている利益の内容及び性質等のほか,法の目的(法1条)をも考慮すると,建築確認に係る建築物の倒壊又は炎上等により直接的な被害を受けることが予想される範囲の地域に存する他の建築物に居住し又はこれを所有する者,並びに当該建築物により日照を阻害される周辺の他の建築物の居住者については,法令違反を理由として当該建築確認の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に該当する。
 そして,最高の高さが26.896mである本件マンションの敷地からおおむね30m以内の隣接地に居住している審査請求人らについては,本件建築物の倒壊又は炎上等により直接的な被害を受け,また,本件建築物により日照が阻害される可能性があることから,本件処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する。
 行政不服審査手続においては,行政事件訴訟法10条1項のような主張制限の規定がなく,また,同項を準用し又は類推適用すべき根拠もないから,審理の対象となる事項が制限される理由はない。
 理由付記の不備の有無について
 本件裁決は,詳細な法解釈及び事実認定を行った上で結論に到達した過程を明らかにしており,旧行審法41条1項の定める理由付記の規定に何ら反するものではない。

(被告参加人の主張の要旨)
 審査請求人らが審査請求時に違法事由を網羅的に主張することができないことは,審査請求期間の制限があることや審査請求人らにおいて入手可能な資料が限られていることから,やむを得ないというべきである。
 また,原告ら及び原処分庁は,確認申請図面を証拠として提出せず,審査請求人らからの求釈明にも十分な回答をしなかった上,原告らは本件マンションの敷地を含む区域が高さ制限22mの高度地区に指定される直前の平成26年2月に本件マンションの変更確認申請を行うなどしたものであり,原告らによるこれらの対応が本件裁決に至るまでの期間に大きく影響しているというべきである。
 本件裁決に係る審査請求人らに審査請求人適格が認められること,審査請求手続には行政事件訴訟法10条1項の適用がないことについては,被告が主張するとおりである。

(3)争点(3)(本件裁決に係る裁量権の範囲の逸脱又はその濫用等の有無)について
(原告らの主張の要旨)
 仮に本件裁決につき手続上の違法性や法令の解釈適用の誤りなどの違法が存しないとしても,〔1〕審査請求人らの審査請求手続における姿勢(不当に審理の遅延を図るために探索的な主張を展開したこと等),〔2〕都条例32条6号が保護しようとしている利益の性質(審査請求人らのような近隣住民を火災等の危険から保護する趣旨ではないこと),〔3〕都条例32条6号違反の是正に必要な工事の容易性(本件駐車場の内部に避難階段を設置すれば足りること),〔4〕本件処分の取消しによって生ずる社会的,経済的不利益(本件裁決時において,本件マンションはほぼ完成し,全107戸が既に完売済みであったこと等)を考慮すれば,都条例32条6号違反という一事をもって,本件処分を取り消すことが公共の福祉に適合しないことは明白であるから,旧行審法40条6項にいう「公の利益に著しい障害を生じる場合」に当たるものとして裁量により審査請求人らの請求を棄却する旨の事情裁決をすべきであり,これをせずに同請求を認容した本件裁決は,比例原則に反するものであり,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして,違法である。
 前記のとおり,裁決行政庁は,適時適切に審査手続の進行を図るべきであったにもかかわらず,これをしなかった。裁決行政庁には審査手続の進行について一定の裁量権が認められるとしても,本件マンションがほぼ完成した時点に至って本件裁決を行ったことは,いわゆる時の裁量権を逸脱したものというべきである。

(原告ら補助参加人の主張の要旨)
 本件裁決は,駐車場の車路という性質上中間部に手すりを設けることはあり得ないとの誤った前提に立って施行令26条2項,25条1項及び3項所定の基準への適合可能性を検討することなく漫然と行われたものであり,本件処分を取り消すことが公共の福祉に適合しないことは明らかである。

(被告の主張の要旨)
 原告らの主張は争う。
 旧行審法40条6項は,審査庁に対して事情裁決をすることを義務付けるものではなく,これを行うか否かが審査庁の裁量に委ねられているのは明らかであって,違法処分を取り消さないで放置することによって生ずる社会的利益に対する侵害の程度よりも,違法処分を取り消すことによってもたらされる新たな公益侵害の方がはるかに高い場合にのみ許されるべきものである。原告らの主張する不利益は、自らの私的利益又は契約上自らが責任を負うべき第三者の私的利益に関するものであるから,そもそも「公の利益に著しい障害を生じる場合」に該当するかについては疑問があり,都条例32条6号に違反した建築計画が是正されることなく存続することこそ「公共の福祉に適合しない」というべきである。本件裁決が事情裁決をしなかったことは,何ら裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たらないというべきである。

(被告参加人の主張の要旨)
 原告らは,審査請求手続の中で本件駐車場の車路部分の形状を変更する申請を行うなどして本件駐車場からの避難の可否(都条例32条6号への適合性の有無)が主たる争点の一つであることを認識していたにもかかわらず,本件マンションの建築工事を続行する旨の判断をしたのであって,原告らが当初から負っていたリスクが顕在化したにすぎない以上,そのリスクは原告らが負担すべきである。

以上

別紙4−1

別紙4−2

別紙4−3 本件駐車場部分からの避難経路

別紙5 審査請求手続における主張項目一覧



東京地方裁判所は平成30年5月24日、建築確認取り消しを認める判決を行いました。

東京建築士会 ニュース(2018年10月24日) New!
「『2018年9月号 法規メールマガジン』コラムの記事内容について」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

東京建築士会 建築東京(2018年10月10日) New!
小田圭吾理事の「法規コラム」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

日経 xTECH(2018年9月12日) New!
「完成直前の確認取り消しは覆らず 申請時に重視すべき解釈ミスのリスク」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

新・判例解説Watch(2018年8月24日) New!
「建築計画変更確認処分を取り消した建築審査会による裁決の適法性」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

TKCローライブラリー(2018年6月12日) New!
「注目の判例」(LEX/DB25560274)に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

日経 xTECH(2018年6月1日) New!
「確認取り消しマンションで地裁判決、『都の判断に誤りなし』」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

毎日新聞(2018年5月24日) New!
「文京・マンション 建築確認白紙の裁決『判断に誤りなし』」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

時事通信(2018年5月24日) New!
「建築確認取り消し認める=竣工直前の高級マンション ― 東京地裁」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

日本経済新聞(2018年5月24日) New!
「マンションの建築確認取り消しめぐる訴訟 建築主が敗訴」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

早稻田法學(2017年10月30日) New!
「建築確認処分を取り消した裁決の取消訴訟において、補助参加および行訴法上の訴訟参加を認めた2件の決定」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

TKCローライブラリー(2017年2月28日) New!
「注目の判例」(LEX/DB25544865)に掲載されました。 →こちらをご覧ください。


東京都建築審査会は平成27年11月2日付で、建築確認を取り消す裁決を行いました。

東京都建築審査会 口頭審査議事録(第1254回)は、東京都庁で公表されています。 →こちらをご覧ください。
詳しくは、東京都建築審査会事務局(03-5388-3334)、もしくは、都民情報ルーム(03-5388-2275)にお尋ねください。

比較法学(2017年6月1日) New!
「『採光権』についての一考察」で紹介されました。 →こちらをご覧ください。

日本不動産学会誌(2017年3月28日) New!
「建築確認をめぐる諸問題と今後のあり方」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

毎日新聞(2016年6月28日)
「東京・小石川のマンション 完成直前に都『建築不許可』」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

朝日新聞(2016年5月28日)
「マンション開発 紛争予防制度を 文京の住民団体が請願」に掲載されました。

東京新聞(2016年5月28日)
「マンション建設 事前3者協議 制度に」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

建築基本法制定準備会ニューズレター(2016年4月21日)
「シンポジウム報告『分譲マンションに求められる法制度と具体策』」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

日本経済新聞(2016年3月30日)
「マンション紛争、文京区で多発 住民と事業者、景観・安全巡り 完成間近で中断/反対運動」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

フジテレビ「みんなのニュース」(2016年2月11日)
「『妻は半狂乱』億ション契約解除で怒号」で放送されました。 →こちらをご覧ください。

Yahoo!ニュース(2016年2月11日)
「マンション違約金 課税に怒り」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

独立系メディア E-wave Tokyo 青山貞一・池田こみち(2016年2月5日)
「特集:UR跡地巨大マンション完売後に『建築確認取消』の前代未聞!」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

テレビ朝日系列「羽鳥慎一モーニングショー」(2016年2月3日)
「『詐欺だ!』購入者激怒! 人気マンションは“違法建築”」で放送されました。 →こちらをご覧ください。

テレビ東京系列「ニュースアンサー」(2016年2月1日)
「追及第3弾! “違法”マンション…立ち上がる購入者」で放送されました。 →こちらをご覧ください。

フライデー(2016年1月8日)
「三菱地所レジデンス億ションが引き渡し2ヵ月前『突然建設中止!』で住民激怒」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

フジテレビ「みんなのニュース」(2015年12月23日)
「建築確認したのに住めない…潜む問題」で放送されました。

テレビ東京系列「ニュースアンサー」(2015年12月23日)
「追及!違法マンション 契約ドタキャン 立ち上がる購入者」で放送されました。 →こちらをご覧ください。

日経BP ケンプラッツ(2015年12月2日)
「完売マンションの建築確認を取り消し 東京都建築審査会が1階を『避難階』と認めず」に掲載されました。
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Yahoo!ニュース(2015年12月7日)
「東京都内の高級マンションが入居直前になって契約解除され、購入者の怒り爆発」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

フジテレビ「みんなのニュース」(2015年12月7日)
「追跡マンション不安 入居寸前に契約解除、購入者が激怒です」で放送されました。 →こちらをご覧ください。

テレビ東京系列「ニュースアンサー」(2015年11月30日)
「発覚!違法建築マンション・入居間近…購入者怒り」で放送されました。 →こちらをご覧ください。

「建築ジャーナル 2015年12月号」(ISSN 1343-3849)に掲載されました。
詳しくは、建築ジャーナル(052-971-7477)にお尋ねください。

「景住ネットNEWS」(2015年11月28日)に掲載されました。 →こちらをご覧ください。
詳しくは、景観と住環境を考える全国ネットワーク事務局(03-5228-0499)にお尋ねください。

朝日新聞(2015年11月14日)
「完成直前のマンション、建築確認取り消し 東京・文京」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

東京新聞(2015年11月14日)
「文京のマンション 建築確認取り消し 近隣住民が『基準法違反』で審査請求」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

マンション・チラシの定点観測(2015年10月9日)
「建築審査会が執行停止決定!竣工間際のマンション」に掲載されました。 →こちらをご覧ください。

Law and Practice 第6号(ISSN 1883-8529)
「近隣住民による開発許可取消訴訟における審理判断のあり方について」の論説で、
2011年6月6日の意見陳述書(全文)が掲載されています。 →こちらをご覧ください。

判例地方自治(373号97頁)に
小石川二丁目マンションの開発許可取消訴訟が取り上げられています。



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